私の考えるプロのブックライターに必要なスキルは以下になります。
1.文章力
2.聞く力
3.読者目線
4.構成力
5.タイムマネジメント力
6.粘り強さ
7.発想力
8.情報収集力
9.胆力
10.真面目さ
前回は「9.胆力」↓について説明しました。
https://iehikaku.com/archives/1002
今回は最後の「10.真面目さ」について書きます。
「10.真面目さ」
私は今年(2023年)で
フリーライター歴16年目、
ブックライター歴15年目
になります。
同業者とあまり接点がないので、
あくまで主観ですが、
かなり長い方だと思います。
これだけの期間に渡ってブックライターを続けてこられた一番の理由は、
「真面目」
だからだと考えています。
そのことに気づいたのは、
あるテレビ番組を観たことがきっかけでした。
それはロックスターの矢沢永吉さんが、
たくさんの20歳前後の若者に囲まれて座談会をするというものでした。
(以下、詳細は曖昧ですが「真面目」というキーワードは確実です)
その中で、身体が大きくて丸坊主のいかにもやんちゃそうな青年がこう質問しました。
「トップを走り続けてこれた一番の理由は何ですか?」
矢沢さんは一瞬
「んっ?」
と斜め上を見上げて思案し、こう回答しました。
「真面目だったからじゃないですか」
その瞬間、会場がざわつきました。
かつては不良の象徴だったようなカリスマが、
一番縁遠い言葉を口にしたからでしょう。
しかし、質問した青年は深くうなずいて納得した様子でした。
私は彼の表情を眺めて
「これが理解できるということは、若いのに苦労したんだろうな」
と感じました。
そして同時に
「真面目」
という言葉が頭から離れなくなりました。
その理由を自問自答すると、
「真面目でなければ周りから相手をされなくなる」
ということに行きつきました。
ひとつの仕事を長く続けるなら、
「好き」「上手い」だけでは足りません。
加えて「真面目」でなければ、
周りから相手をされなくなることを、
それまでの経験から痛感していたのです。
特にブックライターはその傾向が強いように感じています。
なぜなら、
受注から納品までの期間が長いから
です。
著者は社会的地位の高い方ばかり。
しかも取材は複数回行うので、
毎回身だしなみや話す内容には非常に気を使います。
1回でも気を抜くことはできません。
また、「そんなことも知らないのか」
と思われないために、
取材前の情報収集も念入りに行う必要があります。
そして、長丁場になるがゆえに、
予定通り進行しないことが当たり前です。
ですから、編集者に対する
「報・連・相」
を怠ることは絶対にしてはいけないことです。
もちろん、締め切りを守ることは言わずもがなでしょう。
しかし、実際これらができていないブックライターもいるようです。
先日、ある経営者の本を書くことになりましたが、
その原稿を書くブックライターは私で二人目でした。
著者はクラシックカーのコレクターでもあり、
有難いことに毎回そのクルマで最寄駅から私たちを送り迎えしてくれました。
その際、彼はこのような話をしてくれました。
「前のライターさんも送り迎えしたけど、そのとき
『よくこんなボロいクルマを運転できますねぇ』
って言われたんですよ」
これを聞いて彼は「カチンっ」と来ましたが、
ぐっと我慢したそうです。
仕事さえしっかりしてくれればいいから、と。
しかし、実際にあがって来た原稿を読んでがっかり。
力を込めて話した部分が、ことごとく抜けていたそうです。
その結果、私に代役の話が回ってきたわけです。
どのような仕事でも同じですが、
「真面目」でなければ、良い成果物を生み出し続けることはできません。
生み出せなければリピートはない。
私はそのことを肝に銘じて、
たとえ長いお付き合いの編集者や著者の仕事でも、
毎回緊張感を持って「真面目」に取り組んでいます。
まとめると私の考えるプロのブックライターの「真面目さ」とは以下になります。
・準備を怠らないこと
・関係するすべての人に対して不快に思われないように気を配ること
・期待されている以上の成果物を納品するためにベストを尽くすこと
・最悪の事態を想定して対策を考えておくこと
・どんな些細なことでも約束を守ること(メール返信、「報・連・相」など)
これでプロのブックライターに必要な10のスキルをすべて解説しました。
もし、共感していただける編集者の方がいらしたら、
ぜひご連絡をいただければと思います。
得意分野は不動産関連だけではありません。
取材さえしっかりできれば幅広い分野に対応可能です。
くわしくは私の下記ホームページでご確認いただければ幸いです。
https://www.zenta1.com/index.html
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