ブックライターに必要な「聞く力」とは

ブックライター

著者の心を開かせる雑談力も必要

私の考えるプロのブックライターに必要なスキルは以下になります。

1.文章力
2.聞く力
3.読者目線
4.構成力
5.タイムマネジメント力
6.粘り強さ
7.発想力
8.情報収集力
9.胆力
10.真面目さ

前回は「1.文章力」について説明しました。
https://iehikaku.com/archives/881

今回は「2.聞く力」について書きます。

「2.聞く力」
実用書・ビジネス書のコンテンツを持っているのは、あくまで著者です。
しかし、それをすべて一度に話せる著者は、ほとんどいません。

これは当然のことです。
一般的な本は短くても6万字、長ければ10万文字前後で書かれています。
その内容を聞く方が理解できるように順序立てて話せるのは、
よほど才能があるか、特別な訓練をした人しかいないでしょう。

ですから、事前に本の設計図である目次案を著者との打ち合わせによって作成し、
取材時は聞き漏らしのないようにします。

とはいえ、目次案は所詮本の骨格です。
読者が著者の一番伝えたいことをより深く理解でき、
読んでいて飽きさせないようにするには、
第一に「なぜそれを伝える必要があるのか」「そのことで読者にどのようなメリットがあるのか」を深く聞き込まなければなりません。

そして、その聞き込んだ内容を読者に分かりやすく説明するための材料を、
様々な質問によって著者自身からできるだけ多く引き出すのも、
プロのブックライターの仕事です。

この仕事の成否を分けるのが聞く力です。
ブックライターは取材中常に「今得た情報で読者に十分理解してもらえるか」を考えています。
また、1冊の本として成り立たせるにはある程度の文字数が必要です。
ですから「これでは情報が足りない」と判断すれば、
瞬時に的確な回答がもらえるような質問をします。

ときに鋭く、ときに教えを乞うように。
質問内容や著者のキャラクターによって微妙に聞き方を変化させます。

このような聞く力には雑談力も含まれます。
話の流れから少々横道にそらすことで、
著者の心がより開いて本人も気づいていなかった伝えたいことの本質に迫ることができることもあるからです。

また、著者に心を開いて話してもらうことで、
その人自身の人間性なども引き出せ、より読者の共感を呼ぶことが可能になります。

聞く力の多くは、社会人経験によって培われます。
どう考えても無理と思えることを乗り越えたり、
取引先や上司から理不尽な要求を突き付けられたりした経験によって、
著者の苦労話などを心から理解でき、的を射た質問につながるからです。
ですからサラリーマン経験、特に営業職の経験があるブックライターが比較的有利だと思います。

まとめると私の考えるプロのブックライターの聞く力とは、以下になります。

・取材中に足りない情報を瞬時に判断し、的確な回答がもらえるように質問をする
・質問内容や著者のキャラクターによって微妙に聞き方を変化させることができる
・著者の心を開かせる雑談力もある

次回↓はプロのブックライターに必要な「読者目線」について解説します。
https://iehikaku.com/archives/900

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