著者に対して「話すべき」とはっきり伝える力
私の考えるプロのブックライターに必要なスキルは以下になります。
1.文章力
2.聞く力
3.読者目線
4.構成力
5.タイムマネジメント力
6.粘り強さ
7.発想力
8.情報収集力
9.胆力
10.真面目さ
前回は「8.情報収集力」↓について説明しました。
https://iehikaku.com/archives/993
今回は「9.胆力」について書きます。
「9.胆力」
ブックライティングと胆力。
まったく関係なさそうに感じる人も多いかもしれませんが、
ある程度の経験がある編集者の方ならうなずいていただけるはずです。
なぜなら、著者へのインタビュー中に
「ここは突っ込んでいかないと!」
と腹を括る場面が少なくないからです。
繰り返しとなりますが、
ほとんどの著者は、本当に素晴らしいコンテンツをお持ちです。
しかし、その内容を話すのを面倒くさがるケースも稀にあります。
全体の7割程度を話して
「時間がないから後は適当に書いといてよ」
といったケースです。
確かにオリジナルの肝になる部分さえ聞ければ、
今の時代、ネット情報などをかき集めることなどで本を書くことは可能です。
しかし、それではあまりにも、もったいない。
このような著者でも頭の中には、
ネットにはない目からウロコのような情報が詰まっているものです。
だからといって
「そこを何とか……」
と、「お客様は神様」のような接し方を続けていても、
「時間がないと言っているだろ!」
と余計に相手をイライラさせることにつながることがあります。
そのようなときに、プロのブックライターは胆力を発揮します。
決して焦らず落ち着いて、
「その内容を深く語れるのは、あなたしかいません。それを書かないのはもったいないと思います」
とはっきり伝えることができるのです。
また、著者が経営者の場合は、
「若いときは、かなりヤンチャだったんだろうな」
と思える海千山千の威圧感を出している方もいます。
そのようなケースだと本人は普通のつもりでも、
若手の編集者やライターだと萎縮してしまうものです。
それゆえ、
「もう一歩深掘りしたい」
といった質問ができなくなります。
このようなときもプロのブックライターは、
普段と変わらず、場を盛り上げ、スムーズにインタビューを進めます。
ただし、インタビューの場を仕切るのは、
基本的には編集者です。
ですから、難しそうな著者の場合は、
事前に編集者と作戦会議をして、
どちらがはっきり伝えるか、を決めるようにしています。
まとめると私の考えるプロのブックライターの「胆力」とは以下になります。
・話すことを面倒くさがる著者に対して「話すべき」とはっきり伝える力
・威圧感のある著者に対して平常心でインタビューをする力
次回はプロのブックライターに必要な「真面目さ」について解説します↓
https://iehikaku.com/archives/1009
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