築20年積水ハウスの外壁塗装工事について7社の見積書を比較!

リフォーム

明確に差が出るのは「保証」と「防水工事」の内容!
※結構な長文ですが、最後まで読めば「積水ハウスのリフォーム品質はどの程度か」「そのレベルを一般のリフォーム会社に依頼したらどのくらいの金額になるのか」といったことがわかります。

わが家は積水ハウス。
今年で築20年になるので保証が切れてしまう。
(現在の新築は30年保証)

積水ハウスのアフターフォローは、かなりいい。
なので保証はぜひ延長したい。
それにはメーカー直で外壁塗装工事(外部改装工事)をしてもらう必要がある。
ところが見積依頼してびっくり仰天。
約588万円と完全に予算オーバーだったのだ。

こうなったら仕方がないので、リフォーム専門店にも見積依頼をしてみることにした。
積水ハウスレベルの材料、保証内容のリフォーム会社を探すのだ!
くわしい経緯の記事はこちら↓
https://iehikaku.com/archives/1458

各リフォーム会社の提案内容を紹介する前に、積水ハウスの内容を確認しておく。

積水ハウスの提案内容建物:36.5坪・2階建て)
「外壁塗装(サイディング)」
セラミックシリコン
ラジカル制御、耐用年数30年、5回塗り、ツヤ無し
「シーリング材」
変成シリコン高耐候仕様
「屋根塗料」
見積書に記載なし
「屋上・バルコニー」
防水シート重ね張り
現在は2mm厚。その上に1.7mm厚のシートを貼る。薄くなるほど柔らかく劣化しにくくなる。
「保証内容」
10年(屋根のみ5年)
「見積価格」(税込)
約588万円

さて、積水ハウス以外にどこへ見積もりを依頼しようか。
なんとなく気になっている状態で新聞を読んでいたら、
どんぴしゃの広告が目に飛び込んできた。

「優良工事店ネットワーク」
簡単にいってしまうと「塗装工事店紹介サービス」だ。
同ネットワークがこちらのニーズを聞き、最適な1社を紹介してくれる。
「たった1社?」と思うかもしれないが、かなり厳選しているらしい。
審査を1万2,034件して、登録したのは1,059件。
つまり合格率1割以下の厳しい審査を通過した工事店だ。
さらに
・自社施工の工事店に直接発注できるので中間マージンが発生しない
・工事途中で工事店が倒産しても安心な「完成保証」が付く
・完成後の保証が最長15年(施工不良のみ。基本は5年)
といったメリットがある。
「直接発注」については確かに魅力で、
今回積水ハウスも含めて7社に見積依頼したが、4社は下請けに委託していた。
下請け委託はコスト的な問題だけでなく、
こちらの希望が伝言ゲームになるのでスピード感も劣る。
そういったことで見積依頼先の1社は、優良工事店ネットワークにお願いすることにした。

依頼した際の内容は下記になる。
「建物」
築20年の積水ハウス
「リフォーム箇所」
1.外壁塗装とシーリング打ち替え
2.屋根塗装
3.屋上(シート防水)
4.バルコニー(シート防水)
「予算」
250~300万円
「希望」
すでに積水ハウスの見積もりは手元にあります。
同社は、セラミックシリコン(ラジカル制御・耐用年数30年・10年保証)を提案しているので、
同等以上の塗料(絶対に艶無し)のご提案をお願いいたします。
また、免責事項を含めたくわしい保証内容をお聞きしたいです。

相場観を得るにはあと最低2社はほしい。
そこで、
ホームプロ
https://www.homepro.jp/

SUUMO
https://suumo.jp/remodel/kanto/
も利用することにした。

ホームプロは以前、床材をフローリングからタイルへリフォームした際に利用した。
結果的に満足できたので、またお願いしたい。
その様子はこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4470

SUUMOは、ホームプロと同じリクルートグループなので、なんとなく――。

ホームプロについては、11社が手を上げてくれた。
そこで
「会社規模」「300万円前後の工事実績数」「評価点」
を確認し、2社へ見積依頼をした。

SUUMOについては、アドバイザーが優良工事店ネットワークのように最適と思える工事店を紹介してくれる。
今回は次の3社を選んでくれた。
D社:自社施工(直接発注)だから
E社:評価が高いから
大手ハウスメーカー:他社も引き受けてくれる大手ハウスメーカーだから

「3社は多いかな」「〇〇ホーム? 他社なのに大丈夫!?」と思ったが、おすすめするのでお願いした。

後日、全6社が現地確認に来た。
その際にすべての会社が断ってきたことがある。
それは
「防水シートの重ね張りはできない」
ということだ。
積水ハウスの構造・部材はすべてオリジナル品。
だから同じ防水シートや固定する金具を用意できない。
また、手すりや笠木を外してみたら、シートの納め方がチンプンカンプン、
といったことがあるので、重ね張りはできないというのだ。

代わりに全社がウレタン塗装を提案してきた。
塗料自体に防水性があるので塗るだけでOK。
費用もシート防水の半額程度で済む。
デメリットは耐用年数で、目安はシート防水が30年に対して20年だという。
(保証は、どこもそんなにしてくれません)
できないものは仕方がない。
なので全社ウレタン塗装の提案となった。

では、各社の提案内容を紹介します。

A社(優良工事店ネットワーク)
外壁・屋根塗料:無機塗料(耐用年数20年)
シーリング材:変成シリコン(耐用年数30年)
屋上・バルコニー:ウレタン塗装(タイル可)
保証:基本5年(施工不良は15年・倒産してもネットワークが保証する)
備考:保証内容は積水ハウスに次いで安心。外壁塗料の3部艶がネック。
見積価格(税込):約310万円

B社(ホームプロ)
外壁塗料:無機塗料(耐用年数28年・高光沢)
屋根塗料:フッ素塗料(耐用年数不明)
シーリング材:ウレタン系高耐久仕様(耐用年数30年)
屋上・バルコニー:積水のシート防水は傷を付けると元に戻せないので触りたくない
保証:5年(屋根は3年)
備考:従業員数百人の業界大手
見積価格(税込):約250万円(屋上・バルコニー除く)

C社(ホームプロ)
外壁塗料:無機塗料(耐用年数20年・3部艶)
屋根:ガルバリウム鋼板瓦カバー工法
シーリング材:不明
屋上・バルコニー:ウレタン塗装(タイル可)
保証:10年(要タイル交換・屋根は15年)
備考:既存のタイルは重すぎてウレタン塗装を傷つける。なので保証を付けるなら要タイル交換。また、現在のスレート屋根材はアスベスト不使用で耐久性が低い。なので再塗装しても保証できない。カバー工法をおすすめする。
見積価格(税込):約340万円

D社(SUUMO)
外壁塗料:アクリルシリコン塗料(耐用年数20年・艶無し)
屋根塗料:無機塗料(耐用年数20年)
シーリング材:ウレタン系高耐久仕様(耐用年数30年)
屋上・バルコニー:ウレタン塗装(タイル不可)
保証:外壁7年・屋根5年・屋上1年
備考:屋上のタイルはウレタン塗装が傷つくので置けない
見積価格(税込):約195万円(バルコニーの見積もりを忘れている)

E社(SUUMO)
外壁塗料:無機塗料(耐用年数20年・艶無し)
屋根塗料:アクリルシリコン塗料(耐用年数不明)
シーリング材:ウレタン系高耐久仕様(耐用年数30年)
屋上・バルコニー:ウレタン塗装(タイル可)
保証:2年(屋上は10年)
備考:特に無し
見積価格(税込):約320万円

大手ハウスメーカー(SUUMO)
現地確認の際、積水ハウスと同じメーカーの塗料を扱う下請け工事会社が同行してきた。
そこでこのようなことを言っていた。
「積水ハウスを含む他メーカーの建物を塗ると、室内にカビが発生したり、塗膜が膨らんでくるといった問題が生じることがあるので保証は付けられない」(ならば何しに来た?)
そのため、数日後に他メーカーを扱う下請け工事会社が現地確認に来た。
その後、1カ月経っても見積書が届かない。
20年前にも感じたが、大手といっても人材教育がしっかりしていないとこうなる。
私は新築時に「三井ホーム」と「住友林業」以外すべての大手ハウスメーカーから見積もりを取った。
そのなかで「報連相」がしっかりしていたのは、「積水ハウス」と「ヘーベルハウス」だけだった。
今も変わらないのかもしれない。
なお、同社は唯一防水シートの重ね張りができるといっていたが、見積書が来ないので詳細はわからない。

見積価格(税込):?

各社の違いがわかりやすいように表にした。
読めるかな?
パソコンに画像を保存すれば、はっきり読めると思います――。

以上、合計7社から見積もりを取ってわかったことが2つ。
ひとつは
差が出るのは「保証」と「防水工事」の内容
ということ。
ご覧のように保証年数は、各社バラバラ。
しかもくわしい内容を聞くと「そんなの保証じゃないじゃん」という会社も多い。

たとえば、積水ハウスの場合、実は築15年の時点で雨漏りが発生した。
1階サッシの下部に染みができたのだ。
そこでカスタマーセンターに連絡をすると、すぐに担当者が下請け会社と一緒に来てくれた。
現場を確認すること15分。
「ここしかないね」と言って、2階の壁のシーリング材を打ち替えてくれた。
雨漏りの場所から4mくらい離れていたと思う。
合計1時間の出来事。
それで5年経った今も雨漏りはしていない。

「なんで原因の場所がわかったんですか!?」
と聞いたところ、
1カ月前に記録的豪雨があって雨漏りが多発した。その原因の多くがここだったから
とのことだった。
費用は20年保証の途中だったので、もちろん無料。

この話を今回の7社にした。
積水ハウスは、当然ながら保証期間中は同じ対応をする、という回答。
ほかは口をあんぐり。
「建てたメーカーだから場所がわかったんです。うちでは難しい……」
という反応だった。

それでも対応は2つに分かれた。
ひとつは
「豪雨もOKです。絶対に原因を突き止めます。保証書にも書きます」
もうひとつは
「そもそも豪雨被害は保証対象外です」(ならばどこを保証する?)
それぞれの理由をしつこく聞くと、この差は「経験の有無にある」と感じた。
過去に似た状況を解決したことがある会社は、保証してくれるようだ。

とはいえ、その保証も会社が倒産したら無くなる。
それゆえ、一番安心なのは、やはり積水ハウスということだろう。

屋上については、タイルを置けるか否か、が大きかった。
わが家の屋上の使用目的は、炭火によるバーベキューだ。
そのため、床のタイルは必要不可欠。

積水ハウスの場合、このタイルがめちゃくちゃ重いらしい。
十分な耐風性を持たせるためだ。


こいつがびっくりするくらい重い。

ウレタン塗装をした上に、この重量物を置くのは好ましくない。
塗装面が柔らかいので傷がついてしまうからだ。
では、どうすればいい?

「大丈夫なウレタン塗装があります」
「少し軽量なタイルに交換すればOKです」
「絶対にタイルは置けません」
に分かれた。
これも経験値による差だと感じた。

では、最終的にどこのリフォーム会社へ依頼したのか!?



ごめんなさい!
実は、外壁塗装工事は延期しました。
その理由が、もうひとつのわかったことになる。
それは、積水ハウスの耐久性がずば抜けて高い、ということ。

これは手前味噌になってしまうが本当の話。
今回積水ハウス以外、6社に現地確認をしてもらった。
そのすべてから最初に聞いた言葉がこれ。
「本当に築20年ですか? 信じられない!」

そのときのメモを紹介する。
「これで築20年ですか? きれい過ぎます! 特にシーリングが凄い。まだ弾力が残っている。建売とかの質が低いものは7~8年で硬くなって指で擦ると削れてしまいます」
「シーリングの弾力が凄い! それに施工精度もすばらしい。ぴったり10mm幅で真っすぐ打てています。相当腕のいいサイディング職人ですね」

「一般的にシート防水は、波打ってから修繕します。それか外壁が先にダメになってついでにするか。こちらは両方ともまだ大丈夫ですね――(がっくり)」
「〇〇ハウスの屋上は、支柱周辺の下地ALCが防水シートの収縮によって破損するケースがあります。積水ハウスでは見たことがありません」
(屋上の手すりを見て)「積水ハウスの部材はみんな頑丈で重いんですよ。だから解体したくない」

確かに身に覚えがある。
わが家の完成後に、ご近所でさまざまな大手ハウスメーカーの家が建った。
覚えているだけでも5~6軒。
そのすべてが築15年以内に塗装工事をしている。

そのたびにわが家は大丈夫かなぁ?
と不安になったが、いくら手のひらでゴシゴシしてもチョーキングはなかった


今現在もチョーキングはない。

 


また、シーリング部分も汚れてはいるが、触り心地は赤ちゃんのほっぺのようにぷにぷにだ

 


シート防水も同様。
汚れてはいるが、ぼこぼこ浮く部分は見当たらない。

唯一、屋根のスレートに苔が目立つようになった。
それでも、もう少し粘って問題はなさそうだ。
外壁、屋根問わず塗装面は、紫外線によって劣化する。
幸いわが家の屋根は、屋上があるおかげで北側にしかないから長持ちしているらしい。

こういった理由で、今回の外壁塗装工事は延期することにした。
保証の継続にこだわっていたが、今のところ問題ない上で数百万円出す気にはなれなかった。
この気持ちは嫁さんも同じ。

7社には大変申し訳ない。
だが、連絡をすると多くが「やはりですね」という反応だった。

なお、最初に積水ハウスの見積書を受け取ったときは、バカ高と感じた。
しかし、6社と交渉した後だと印象が変わった。
積水ハウスは唯一、防水シートの重ね張りができ、最高性能の塗料を採用している。
外壁塗料の30年の耐用年数を公言しているのも積水ハウスだけだ。

今回2社が
「そんなの絶対に嘘だ。無機塗料でも無理なのに、セラミックシリコンで30年はあり得ない!」
と鼻息を荒くしていた。
だが、ブランド力があり、施工件数も多い積水ハウスが嘘をつけるはずがない。
「だったら30年保証付けてよ」と言いたくなるが、理論上30年は本当だろう。

保証についても、「豪雨被害は対象外」「経年劣化は対象外」といった言い逃れはせずに、期間内ならスムーズに修繕してくれるはず。

今は、それゆえの588万円だと納得している。
わが家には絶対に出せない金額だけど。
とにかく今は数年後の資金確保のために、つみたてNISAがんばります。

コメント

  1. こじこじ より:

    勉強になりました。ありがとうございます

  2. ジャスミン より:

    大変参考になりました。
    こちらは、15年点検を先日したところ、540万のお見積り。
    ほぼ、同じ内容でした。金額は納得していますが、もう5年粘りたいと思っています。
    コーキングは、まだ柔らかいし、ひび割れもないし。屋根の瓦は、まったく問題なく。
    確実に5年後は、700万ぐらいになっているだろうと覚悟はしつつ。まだ粘りたい。。。
    この投稿をみて、あと5年耐えられると感じ、先延ばししよう!と思います。

    • zenta1_admin より:

      お役に立てたなら幸いです。
      築15年ということは、5年後どころか10年後まで大丈夫かもしれませんね!

      • ジャスミン より:

        そーですかねー⤴
        さすがに後10年とまではいかないと覚悟しているので、
        コツコツ資金準備頑張ります。
        ありがとうございます。
        これからも投稿参考にさせてもらいます!!

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