我が家は積水ハウス。
築16年。
15年点検では異常個所はなく、外壁の塗り直しも屋上床の張り直しもしていない。
「イニシャルコスト(初期費用)は高くても、ランニングコストが安いものを」
という当初の狙いどおりだ。
積水を含む大手ハウスメーカーの価格は、一般的な工務店より2割から3割高い。
工務店の家が2000万円の家なら2500万円。
最初は
「500万円も差があるなら小ベンツが買えるじゃないか!?」
と腰を抜かしたが、
「いやいや、不具合の連続でストレスが溜まるくらいなら」
「手放すときに高く売れるなら」
と考え直して脱サラ前に急いでローンを組んで建てた。
とはいえである。
さすがに16年も経つと細かいところが傷んでくる。
目立つのは壁紙のつなぎ目の剥がれ。
最初はシャープペンで引いたような黒い線からはじまり、
年々それが太くなり、
今では2~3mmめくれているところが多々ある。
でも全体から見ればほんの一部だし、
日常生活には支障がないし、
貼り直すなら家具をどかさなければならないし、
で気にしないことにしていた。
ところがである。
どうしても気になることが発生してしまった。
我が家に一つしかない引き戸が突然重くなったのだ。
↑長細く見えるがそれは左側に本棚があるから
今までは取っ手に指を引っかけるだけですいぃ~っと開いたのに、
両手でグイグイやらないと開かない。
毎日必ず数回通るので結構なストレス。
両手でグイグイ!
レールにシリコンスプレーをかけてみたが効果はまったくなし。
時は年末。
「よし、仕事納めの翌日である12月30日に本棚をどかしてチェックしてみよう!」
と腹をくくった。
「腹をくくる」と聞くと大袈裟に思えるかもしれないが、
その本棚は高さ230㎝、幅150㎝の結構な大物。
本が入った状態では推定200~300kgはある。
なのでどかすとなると大量の本を抜かなければならないのだ。
早速嫁さんと交渉開始。
「オレが引き戸を直すから、お前は本を抜いて戻して」
微妙な空気で交渉成立。
嫁さんの作業終了後に本棚の裏に入り込むと……。
きっちゃな~い。
ほこり、髪の毛、犬の毛が溜まったところに、
シリコンスプレーをかけたので黒く貼り付いている。
そりゃ~戸が重くなるわけだ。
大至急MAKITAのコードレス掃除機で汚れを吸い取り、
雑巾がけしたあとに再度シリコンスプレーを吹き付けた。
結果は?
10%改善……。
明らかに軽くなったことは分かるのだが、
開けるのに両手が必要なことは変わらない。
「全然ダメです!」
と嫁に言い切られ、最後の手段を思いつく。
引き戸を外して戸車を分解する!
ここは男のパワーの見せ所。
「えいやっ!」と引き戸をつかみ、
「おりゃっ!」と持ち上げ、
「〇〇ちゃーん!」と嫁さんの名前を叫び、
2人で担いで廊下に置いた。
戸車と戸本体の隙間を凝視する。
やはり、髪の毛などが詰まっている模様。
早速戸車を外そうとする。
だがやり方が分からない。
ネジは3つ
そのうち2つは「上下」「左右」と書いてある。
下手にいじるとセッティングが狂いそうだ。
ネットでやり方を検索したが、同じ商品が見つからない。
私の図工・技術の通信簿は「2」(5段階)……。
そもそもこういうことは苦手で嫌いだ。
では、どうするか?
嫁さんが、「早く本を戻したい」とおせち料理の本を読むフリをして待っている……。
そこで思い出した。
積水ハウスのカスタマーズセンターがあるじゃないか!
ちょうどその前日に積水ハウスのオーナー向け情報誌『きずな』を読んでいて、
「この度24時間365日受付のカスタマーズセンター”オーナーデスク”を開設しました」
という記事を読んでいた。
ここなら12月30日でも頼りになるだろう。
さすが業界最大手の積水ハウス。
コロナ禍でもやることがビッグ👊
500万円多く支払った価値があった
以前から積水ハウスへ電話をすると、
すぐに手元に図面を用意できるようで的確に対応してくれる。
今回も
「その引き戸の型番が分からないので即答できません」
とはならないはず。
大至急フリーダイヤルの番号を押した。
するとすぐにオペレーターが出てくれた。
「おぉ~、12月30日なのに機械音声ではなく生声だ!」
感動を噛みしめつつ状況を説明した。
そして
「少々お待ちください」
の後に保留音。
きっと引き戸の図面を用意しているのだろう。
待つこと約1分。
「今回の件はお客様のメンテナンス担当者が対応させていただきます。
仕事初めは1月4日からですが、5・6日は定休日なのでご連絡は7日になるかもしれません」
🐶🐶🐶🐶
……。
それって24時間365日受付の意味があるの?
こちらのメリットは「壊れちゃったんだけど」と愚痴を聞いてもらえることだけ?
肩をがっくり落として電話を切った。
まぁ、そもそも年末だから仕方がない。
「今めちゃくちゃにしても7日には何とかなるだろう」
と再度腹をくくって
「上下」「左右」
と書いていない残り一つのネジを外すことにした。
すると、パコっと外れるではないか。
すると戸車に絡まったホコリや髪の毛、犬の毛がゴソっと出てきた。
あまりのボリュームにびっくり仰天。
これだけ入っていれば回転しないはず。
念入りに取り除いたあとにシリコンスプレーを吹き付けた。
結果は大成功!
指一本どころか息を吹きかけても開くくらい軽くなった
人間、いくつになっても苦手意識を持たずに挑戦するものですね。
年始の予約はキャンセルしました。