原因を一発解明! やはり積水ハウスに頼るしかないのか!?
ゴールデンウィーク前半の22時30分。
リビングでテレビを観ていると、前方から規則的に音がしてきた。
トーン、トーン、トーン。
はじめはテレビの音から思ったが、明らかに画面の動きと合っていない。
テレビを消音モードにする。
トーン、トーン、トーン。
より際立つようになった音を探って、テレビからゆっくりと手前に視線を這わせる。
目の前のリビングテーブルからだ。
音の発生源を凝視。
テーブルの上に小さな水たまり。
なぜ?
今度は視線をそお~っと上げてゆく。
ここからだ。
埋め込み式の照明の角から落ちた水滴が、真下のリビングテーブルを叩いていたのだ。
雨漏り?
確かに外は雨だ。
風もどちらかと言えば強い。
だが、降り方は普通程度だし、風速だって5mくらい。
それでこんな室内の内側で雨漏りがするものなのだろうか?
そこである可能性がふっと浮かんだ。
リビングの真上には風呂場がある。
わが家は2階風呂なのだ。
そして30分前に風呂に入った。
なので排水が漏れているのかもしれない。
濡れたテーブルを触り、指先のにおいを嗅ぐ。
シャンプーの香りナシ。
だからといって水漏れ説を否定することはできない。
とにかく何とかしなくては。
そんなときに頼りになるのが積水ハウス。
積水ハウスのカスタマーズセンターは365日・24時間受け付けている。
とはいえ、夜間や年末年始はオペレーターが出て、
「営業日に担当者から折り返し連絡をします」
という気休めにしかならないサービス。
それでも「明日、朝一で連絡が来る」という安心感が得られる。
無いよりはマシだ。
くわしくはこちら↓
https://iehikaku.com/archives/86
時刻は23時前。
フリーダイヤルの番号を押した。
最初は自動応答。
4年前は、一発でオペレーターにつながった。
面倒になったな。と感じつつ指示に従う。
そして行きついた先は――。
「オペレーターの対応は朝8時以降になります。またお掛け直しください(自動音声)」
これでは以前にも増して意味がないではないか。
仕方がないので、その晩は水滴落下ポイントに水をキャッチするボールを置いた。
すると
トーン、トーン、トーン。
が
カーン、カーン、カーンと甲高い音に。
ドリフのコントを思い出す。
これでうるさくて寝られない。
ボールの中にタオルを入れる。
これでほぼ無音に。
お休みなさい――。
翌朝、7時前にボールの中を確認すると、タオルはほとんど乾いていた。
おそらく雨漏りは、我々が寝てからすぐに止まったのだろう。
8時と同時に積水ハウスへ電話を掛ける。
今度はオペレーターにつながった。
だが、再度がっくり――。
「カスタマーズセンターは火曜・水曜はお休みです。今日は火曜日ですから担当者からのご連絡は明後日の木曜日になります」
Oh, no!
なんて運が悪いのでしょう!
このままでは今夜お風呂に入れない。
そこで考えた。
そもそもわが積水ハウスは、築21年で保証は切れている。
つまり修繕は有料。
ならば近所の工務店に頼んでも同じだ!
藁をもつかむ思いで、かなり縁の遠い一般的な工務店に来てもらった。
彼らはリフォーム専門の業者さんだ。
早速、埋め込み式の照明を外す。
周辺はすでに乾いている模様。
中を覗く。
「どこも濡れていませんね~。排水管は遠いので可能性は低いと思います」
工務店さんは首をかしげている。
この時点で驚いたのは、1階の天井と2階の床の間の空間が25cmくらいしかないこと。
これでは入ってメンテナンスをすることはできない。
「積水ハウスはこれでも隙間がある方ですよ。工場でつくって現場で組み立てるメーカーなんて腕も入りません」
「そもそも入ってメンテナンスをすることはありませんよ。不具合が見つかったら真下から穴を空けて点検口をつくるんです。穴を空けて扉をつくるだけなら費用は2万円くらいですね」
しかしなから、今回は点検口をつくる場所さえ特定できない。
念のため、2階のユニットバスと、さらに上の屋上を見てもらったが、特に劣化は見つからなかった。
こうなったらお手上げらしい。
「おそらく、排水管からの漏水ではなく雨漏りだと思います。昨夜は雨が降っていましたからね。あとはユニットバスと脱衣室の隙間から漏れたかなぁ」
「とにかく、今度雨漏りしたら気になるところを全部写真を撮って見せてください。水が通った場所が乾いてしまったら、もう何も分かりせんから」
彼らは、今回は無料でいい、と拒んだが、祝日に来てもらったこともあるのでガソリン代だけ受け取ってもらった。
さて、目の前の不安は、お風呂が使えるか、ということ。
だが、水漏れしても昨晩レベル。
ならば、積水が来るまで我慢しようと、普段どおり風呂を使用した。
ところが水漏れなし!
やはり雨が原因か?
そして2日後の午前中に、積水の担当者が防水工事の業者さんと一緒に来てくれた。
私の話を一通り聞く。
だが、すべて的外れという表情。
「う~ん、今回はおそらく防水シートの亀裂からの雨漏りだと思います。雨漏り地点は、西の外壁から1.9m、南の壁から1.2mです。この上周辺のバルコニーと屋上の防水シートを点検しましょう」
なんてピンポイント!
早速、バルコニーに案内した。
業者さんがバルコニーに置いた植木鉢をどかし、次々とプラスチック製の床材を外していく。
下にアリの巣ができていた。
「植木鉢を置くとよくできるんですよ。少なくても年に1回はホースで勢いよく水を流してください。床材の上からで構いません」
泰楽が「ボクもお手伝いしましょうか?」とうるさい。
いい子だが役に立たない。
積水の担当者がメジャーで壁からの距離を測り、「ここからここまでですね」とテキパキ指示を出す。
するとついに見つかった。幅3cmほどの亀裂だ。
「これは完全に下に漏れるレベルの亀裂ですね。ただ、この場所だとたぶん室内ではなく、直接バルコニー下から漏れると思います。念のため補修しておきましょう」
業者さんがテキパキとパッチのようなものを貼ってくれた。
バルコニーは、床面積の半分程度点検して終了。
担当者がプロの表情でつぶやく。
「どうやら問題は屋上にありそうですね」
三人と一頭で屋上に上がって5分。
あっさりと原因らしいものが見つかった。
ペントハウスの立ち上がり部分の接着面が剥がれて浮き、そこに5mm程の亀裂が入っている。
たったこれだけの切れ目で雨漏りするのか?
「こんな小さい亀裂でも雨漏りはします。ここは雨漏りした場所の真上にあたりますから、おそらくこの亀裂が原因でしょう」
こちらも5分で修繕終了。
トータル1時間30分の点検&修繕だった。
翌日、偶然にも雨漏り時よりも強い雨が降った。
2時間ほどだが台風のような豪雨だ。
結果はセーフ!
一滴も雨漏りしなかった。
なお、修繕が終わったとき担当者はこう語った。
「やはり築20年経つと、こういった不具合が出るものです。そして今回のように修繕してもモグラ叩きのように不具合は出てきます。そもそも今回の修繕箇所が、100%雨漏りの原因とは言い切れません。ですから、外壁、バルコニー、屋根、屋上のリフォームが必要なんです。もう一度リフォームの担当者を呼びましょうか?」
正直、この言葉は応えた。
一般的な工務店がお手上げだった雨漏りの原因を、積水ハウスは現地に来る前から分かっていた。
やはり住宅のメンテナンスは、施工会社に任せるのが正解なのだろう。
だが、リフォーム代金は600万円――。
一般的なリフォーム会社の2倍だ。
600万円についての詳細はこちら↓
https://iehikaku.com/archives/1458
差額の300万円があれば、BMWのX1の中古を買いたい。
ほっと一息ついた途端に、頭を抱えるのだった――。
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